【活動報告・へんろみち】2025秋の遍路道調査会開催しました。(1日目)

2025年11月22日、23日と遍路道調査会を開催し、徳島まで行ってまいりました。主に旧遍路道がどのような状況になっているのか歩いてみました。
1日目のレポートです。
・22番平等寺から23番薬王寺の間の遍路道
1.鉦打坂 評価:現状ではおすすめできません。
前回の調査で登り口が分からなかったため、今回の調査では、下り口から逆打ちしてみました。
いきなり急坂です。竹やぶに阻まれて前に進めません。順打ちだとこの坂を下ることになり、大変です。
この竹やぶの区間がしばらく続きますが、道は不明瞭で、踏み後も見つけにくく、迷う恐れがあります。
なんとか竹やぶの区間を越えることができると、道は広がりはっきりし、迷うことはないですが大きな石がごろごろして歩きにくい道です。
途中、巨大な倒木があり、通行を阻みます。倒木の上側から巻くことにしましたが、その際、メンバーの一人が3メートルほど滑り落ちました。大きな荷物を背負っているお遍路さんなら、なおのこと、非常に危険です。
しかし、それ以降は大きなトラブルはなく、なんとか登り口まで歩けました。
ただし、順打ちの場合は登り口が分かりにくいので、注意が必要です。登り口はお堂のすぐ後ろにありますが、高低差がありパッと見、道があるように見えません。
課題:全体的に割れた石がころがり、道が削られているところもあり、歩きにくく危険。
順打ちでの登り口がわかりにくい。(大師堂のすぐ裏に急な登り口がある)
倒木の処理が必要。 竹やぶの区間の道が分かりにくい。
要整備度:9
※整備が必要だが、整備さえできれば、なんとか歩けるのではないか。再生可能性あり。
続いて、由岐、木岐の集落を抜け、小田坂の登り口までやってきました。
・22番平等寺から23番薬王寺の間の遍路道
2.小田坂 評価:通行できるが、問題がある。
小田坂は、23番薬王寺のある日和佐の手前にある峠。
ここで、ある問題が発覚しました。多くのお遍路さんが通過する広い登り口は、遍路道ではなく、すぐ横のお宅の私道ということで、登り口をロープで塞いでおられます。
ここは遍路道ではありません。ここから150メートルほど北へ向かうと、登り口があります。今回、わかるように協力会の道標を設置したので、ここから小田坂を越えてください。
今回の調査では、小田坂峠は越えていませんが、峠の途中に歯朶が茂り、通りにくくなっているので注意が必要です。
課題:登り口がわかりにくい。案内看板など誘導する必要がある。
峠道の途中で、歯朶が茂っているところがある。途中通りにくいので整備が必要。
要整備度:4
※整備が必要だが、通行は可能。下りの部分は新しくバイパスが作られていて、遍路道が消滅している。
続いて、日和佐の街を抜け、よここトンネルの手前から、よここ峠に向かいます。
・23番薬王寺から24番最御崎寺間の遍路道
3.よここ峠 評価:通行に問題はないが、登り側の風情は失われてしまった。
よここ峠は最近木材の伐採が行われ、峠の半分は作業道路になっているという情報があり、確認をしてきました。
注意)旧遍路道は途中、踏み切りのない線路を越えるので、通行しないでください。
線路を越えるとそこは木材を伐採した作業場所となり、縦横無尽に作業道路ができていました。
このあたりには旧遍路道があったはずですが、完全に消滅しました。
この後、なんとか林道と合流できたので、次は峠のピークを目指します。
林道をしばらく行くと右手に峠のピークへ向かう案内標識が見つかりました。
峠の登り側は林道で、元々それほど風情は感じられませんでしたが、なお一層、風情がなくなりました。
ようやくよここ峠のピークにたどり着きました。
下りは林道ではなく、多少は風情がありますが、所々に人工物があります。
無事、よここ峠を越えて国道55号と合流しました。
山河内まで行くと「打越寺」という駅路寺があり、合流地点には古い道標が残っていました。
課題:峠前半は林道で周りは伐採作業の現場のため、遍路道らしさがない。
全体的に道が荒れていて、汚れた感じがするので、整備が必要。
要整備度:3
※全体的に道が荒れている。木材の搬出が終わった後がどのようになるか少し不安。
調査会一日目のレポートはここで終了します。続きは、別のページでお知らせします。
































