へんろみち保存協力会

【活動報告・へんろみち】2025秋の遍路道調査会開催しました。(2日目)

2025年11月22日、23日と遍路道調査会を開催し、徳島まで行ってまいりました。主に旧遍路道がどのような状況になっているのか歩いてみました。

2日目のレポートです。

・23番薬王寺から24番最御崎寺の間の遍路道

4.寒葉坂 評価:まさに理想の整備状況、ここの遍路道は、ほかの自治体の方に見てもらいたい。

近くの美波町にお住まいだった、三村泰三(公認先達・故人)さんの整備により、廃道寸前の遍路道が見違えるように歩きやすくなりました。

歩き遍路さんには、ぜひともこの道を歩いてほしいですね。

ほとんどの方が国道55号をそのまま歩いて行ってしまうため、道沿いに道標を設置しました。

他の団体や個人の道標もあるので、見逃すことはないと思います。

道の入り口はここから右側、10メートルほど奥にあります。

道の脇にはトラロープが張られ、ちょっとした谷にも木製の橋が架けられて、ここまで快適な遍路道はほかにどこにもないような気がします。

三村さんが作った案内板

もちろん下り坂も快適です。大きな石が全く落ちていません。

丸太橋には横木が渡され、滑りにくく配慮されています。

寒葉坂で一つだけ残念なのは、下りきった所で大規模な工事が行われ、木々が失われてしまったこと。一気に興ざめです。

 

更には、江戸時代につくられた橋台の石組みが崩されてしまいました。

橋台は一部が残っています。

このような史跡は一度失われてしまうと、二度と元通りにはなりません。

 

課題:整備は、完ぺきといっていいレベル。

   史跡指定されていない遍路道の整備は、どこまで可能か、指標が必要。

   草刈りや倒木の除去、浮石の排除などは問題ないと思われるが、

   案内板の道標など、すぐ動かせるものの場合はどうなるのか、

   また、すぐには動かせないものの場合はどうなのかなど、整備の指標が必要。

※三村さんのご存命のうちにお話を伺えなかったことが残念です。

 三村さんについて教えていただいた歩き遍路で会員のKさん、ご協力ありがとうございました。

 

続いて、牟岐の街を抜け、八坂八浜の最初の大坂峠に向かいます。

・23番薬王寺から24番最御崎寺間の遍路道

5.大坂峠・内妻浜(八坂八浜) 

評価:非常に整備が行き届いている。さしあたり大きな問題はない。

登り口には看板が設置されています。多くの道標もありますが、まだ少しわかりにくいので、協力会の道標も設置しておきました。

峠道は所々狭いところがあり、落ち葉が積もって滑りやすいです。

大坂峠は、寒葉坂と同じく、美波町にお住まいだった三村さんが整備されたということで、行き届いた整備状況に納得です。

滑らないように慎重に歩きました。

大坂峠からの八坂八浜の風景、風光明媚なすばらしい眺めです。まだまだ、この先、遍路道は続きます。

遍路道と車道との交差点には草鞋大師があり、ここから内妻浜に下っていきます。

内妻浜まで下りてきました。実はここはサーフィンのメッカでもあります。

昔はここに橋はなく、正面の川の浅瀬を歩いて渡ったようです。

【ログデータ】牟岐駅から100mほど南、国道55から分かれて、牟岐の街中の遍路道を通ると大坂峠の登り口が分かりやすくなります。登り口のログデータは一部欠けています。

 

課題:整備は、ほぼ行き届いている。

   下り側に少し危険を感じるところがあり、注意が必要。

   天候により海側を歩くのは危険な場合がある。

   多くのお遍路さんは国道55号をそのまま歩く、もっと強くこの道を歩くよう、PRが必要。

   展望のいいところがあるので、より多くの歩き遍路さんに歩いてほしい。

※2日目はこの2カ所で終了となります。

八坂八浜も一坂一浜しか確認できませんでしたが、また次の機会に調査をしたいと思います。

また、会員の皆様にもご参加いただけるよう企画していきますので、よろしくお願いします。

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