へんろみち保存協力会

【活動報告】秋の遍路道調査会(第2弾)開催しました。(その2)

2024.12.16

2024年秋の遍路道調査会(第2弾)の報告その2です。

前日の金剛頂寺奥の院池山神社の調査の後、2日目は国道55号を高知市方面に向かいます。

羽根岬に中山坂という遍路道が通じていますが、国道55号から旧道へ、旧道から中山坂に向かう道が分かりにくく、

この辺りで迷うお遍路さんが続出しているとの連絡があり、道標を設置しました。

道標設置の準備をします。

中山坂へはここから右へ向かいます。当会創設者の宮﨑さんが設置したと思われる道標が残っていますが、文字が薄くなっています。

この角の道標を見落とすお遍路さんが続出しているとのことで、宮﨑さんの足跡ともいえる道標ですが、感謝しつつ交換することとしました。

中山坂は旧遍路道ですが、羽根岬の国道55号を回ってもかまいません。どちらに行ってもいいので、道標は2枚付にしています。

この先、中山坂までの間にいくつかの道標を設置しました。

正面に見える山が中山坂。この道を進むと山道になります。

 

中山坂手前に道標を設置した後、さらに国道55号を高知市方面へ向かいました。

次は手結坂(ていさか)へ向かいます。

ほとんどのお遍路さんは、そのまま国道55号か、もしくは自転車道を行くか、だと思いますが、実は古い遍路道が残っています。

今回は調査会ということもあり、旧遍路道を歩いてみました。

旧遍路道は蛇行しているので、国道55号や自転車道を行くよりは距離が長くなりますが、味わいがありますね。

手結坂へ至る道は2本あります。この写真の真ん中の道を登ってくることもできます。電柱の横に峠を示す石の道標がありますが、少しわかりにくいですね。

手結坂は車道からさらに最頂部までの道が分かりにくく、右側のコンクリートの、のり面の上を見ていないと気が付かないので、注意が必要です。

このスロープを上がると、茶屋跡へ向かう遍路道がありますが、設置されている石造の道標が分かりにくいですね。

他に遍路札をつける場所がなく、仕方なく竹に遍路札を下げました。

この道を登ります。

峠には春琴亭という茶屋があり、殿様も休んだといわれています。現在もその茶屋は場所を移して「澤餅茶屋」として営業を続けています。なんと180年の歴史があるそうです。

峠の下り側の出口にも石の道標がありますが、全く目立ちません。

旧遍路道はここで途切れているので、左へ少し行ったところにある階段を下ります。

この階段を降りると現在の澤餅茶屋の横にでてきます。

せっかくなので、澤餅茶屋に寄り、お店の方にお話をききました。

元々は峠の上にあったが、下に車道ができたため、移転したとのこと。180年の歴史があり、当時使っていた木材を使って現在の店舗も建てられている、など、興味深いお話を聞くことができました。

澤餅茶屋の内部、180年も前の部材をそのまま使っているとのこと

天井の部材の溝に棒を渡して、参勤交代の提灯をぶら下げていたそうです。

澤餅茶屋の前の横断歩道を渡って、手結の街へ下りていきます。

なんとタイミングよく可動橋が上がっていました。

効率よく国道を歩くのもいいですが、旧遍路道を歩くとこのような情景を味わうことができます。旧遍路道を歩く醍醐味ですね。

手結の街から少し離れた「道の駅やす」まで来たところで、今回の調査会は終了になります。

今回参加されました、会員の皆様、セキ株式会社の皆様、当会関係スタッフに感謝申し上げます。

また、この遍路道調査会は「四国へんろ道文化」世界遺産化の会との共同企画となっています。

今後とも会員さんなど、皆様に呼びかけていきますので、奮ってご参加ください。

(定員に限りがありますので、お早めにお申し込みください)

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